さんきゅう倉田

さんきゅう倉田

短い間に3回税務調査された人

「40年前に立て続けに3回も税務調査があったんだよ」

同じ地域で3代続く会社の経営者が話してくれた。

ある日突然、スーツを着た男たちが10人くらい家に来てさ。会社と家と倉庫が同じ建物だから、1日中作業してるんだ。小学校から帰ってきてもまだいてさ、20時とか21時までいるんだよ。当時はコンビニもないし、親は食事を作れないから、なにも食べられなくて、よく覚えてる。
3日くらいは家に来てたかな。親父は「どうしてうちみたいな会社に来るんだ」って言ってたよ。結局、なにも見つからなくて、どういうことか聞いたら、タレコミがあったんだよね。その当時、うちは相続で揉めてて、そのタレコミをしたのは相続人の誰かだって言うんだよ。
結局は親父の妹だったんだけど、その人の旦那が公務員で、行政文書っぽい書き方でタレコミしたんだって。お仲間同士で通ずるものがあるのかな。一般的なタレコミより信用されて、しつこく調査されたよ。
親父の話では、談合してるんじゃないかとか、不正入札してるんじゃないかとかも聞かれたらしいんだけど、それはあんたらに関係ないだろって思ったよね。警察でも混ざってたのかな。
そういえば、2回目の調査のときは、学校にも来たんだよね。小学校で授業を受けてたら、知らないおじさんが廊下にいるんだよ。先生も何も言わないし、子供たちは不安に思ってたな。そのうち、そいつは何も言わずに教室の中に入ってきて、俺のロッカーの前に行って、ランドセルの中を漁りだしたんだ。
わけがわからなかったよ。家に何もないから、俺のランドセルに親父が金を隠したと思ってたんだろうな。そのときは何が起きたのか分からなくてさ。でも、家に帰ったらスーツ着たやつらが大勢いるから、それで悟ったよね。2回目だし。
3回目は、知らないと思うけど、公共事業の入札って、税務調査が入るとリストから外れるんだよね。地元の議員が税務署に圧力をかけて、うちに調査に来させたんだ。ひどい話だよ。
競合がそのくそったれに頼んだみたいなんだけど、おかげでうちはでかい案件を1つ逃したんだ。どうしてそういうことが分かるかって言うと、大蔵省の官僚から税務署の署長になった議員と懇意にしてて、聞いてもらったんだよ。議員ってすごいよな

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